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下請けから脱して…
他のリフォームを考えてみてください。
家の中で言えば、システムバスやシステムキッチン。
これらは、工場製造した形ある製品を注文して現場で取り付けます。
システムバスやシステムキッチンは、もし不具合が出たらすぐに分かりますよね。

 一方、塗り替えの製品は、塗料です。
塗料は濃くしたり、薄く塗ったり、簡単に細工が出来てしまいます。
しかも、不具合が出るまで最低でも2年近くかかってしまいます。

工事費の割合から言って、塗り替えはシステムキッチンやバスと比べて、ほとんど材料費はかかっていません。
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どちらかというと、ほとんどが技術代です。
職人の手間もありますが、他にも塗装の作業をするために大切な、 足場や窓などを覆う養生など、実際に塗る作業までに、高いお金がかかってしまいます。

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しかし、その高いお金を払って残るものは「塗膜」だけです。

一方は「お宅で使った塗料は一番高くていい塗料を使いましたよ」と言い、
一方は「安い塗料ですが、しっかり塗っときましたよ」と言う。
言葉にウソは無くお互いその通りだとします。
普通に考えれば高い塗料がもちます。

でも実は、塗付量、希釈率の違いによって、耐久性がまるっきり百八十度逆転してしまうのです。

どんなに最新の高耐久の塗料を使っても、また一昔前の時代遅れな性能の低い塗料を使っても、塗装は職人の意思によってその性能を変えてしまいます。
職人が塗料を変幻自在に操ることにより、塗料の立場を逆転させ、また塗り替えという商品価値を極端に高くも安くもできてしまうのです。

お客さんは、この”厚みをつけて塗る”という事に関して質問してくる方はあまりいらっしゃいません。
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塗料の性能や、何層塗りと言った部分は、よく訊かれるのですが、どういう希釈の仕方で、とか、厚みに関しては、信用しているのか知らないのか、全く話してこないのです。
よい職人であったとしても、訊かれないと答えられません。
よい職人は、それを当然と思っているので黙っていますし、悪い業者であれば、知っていてわざと話さないでしょう。

たとえば「壁は三回塗るんでしょうか」と訊いてくるお客さんもいます。
しかし、それぞれが薄く塗られた状態での三回塗りでは、意味がないことは知らないでしょう。
なぜ薄く塗られるということがあるのでしょう?
実は、塗料はそのまま塗布するのではなく、水やシンナーと混ぜて塗るからです。
でも、知らないお客さんは、どうやら「回数=厚く塗れる」と思っているらしいのです。

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実は塗料の希釈率に対しても気を配った方が良い、というのは分かっていただけたでしょうか。
でも、どんなに適正な塗装仕様で、仕様通りの希釈率で塗ったとしても、実はそれだけでは意味がないのです。
実際、塗りもの(外壁や鉄部、木部ですね)に付着していなければ、意味がありません。
塗料はまず、よく付着していることが、絶対条件とも言えるでしょう。

例えば、はがれかかっているペンキの上から塗っても、剥がれ掛かっているペンキと一緒に新しいペンキも剥がれてしまいますね。
塗っているのは、素地ではなくて、剥がれ掛かっているペンキの上だからです。

壁であれば、車のコイン洗車場にあるような高圧のジェット水流によって、ゴミやほこりなどを落とします。
こういった工程を下地調整というがこれが完璧にされていないと、せっかく塗ったものもはがれやすくなってしまいます。
この下地調整を完璧に行い、塗装仕様を守って作業をすれば、まず間違いない塗装工事ができあがります。

付着をよくするため、あらかじめ、塗り面についている余計なサビやごみ、埃、剥がれて浮いてしまっている塗膜などを全て取り除いて初めて、お客さんが望む通りの塗装が始められます。


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